■ 初収入、アニメの司馬遼、銀シャリ。

日本での初収入。っても初契約成就！　なんて景気のいい話では生憎なくて、3歳の娘が帰省先の実家でお年玉をもらっただけのこと。もちろんその3千円は取り上げ、我が家の家計簿の収入欄に記入。おお、このノートにはじめて黒い字で書くことができたよ。
そういえば、娘は地方自治体からの児童手当も受け取っている。それで今度は子ども手当が始まるのだとか。間違いなくこの、「ま、いっか！」が口癖のトボけた3歳の娘が、いまの我が家の稼ぎ頭。「稼頭子（かづこ）」と改名すべきかもしれない。ともかくどうもありがとう、ジャパン！

というわけで、和歌山の主人の実家でお正月を過ごしてきました。初詣は、新義真言宗総本山にして、秀吉に攻められたことと、黒漆に朱の漆を重ねた深い色合いの漆器で名前を知られる、根来寺。近所なの。参詣後、お守り売り場で初めて今年が本厄だと知った「社長」がエイヤッと気合を込めて引いた「だるまさんおみくじ」は、なんと「大吉」。麻雀から宝くじさらには恋人運まで（オレか？）総じて引き弱な「社長」の人生で、おそらく初めての大吉だ。やったねー！　しかしよく見ると「商い：儲け少なし」と書いてある。……ま、いっか。
というわけで今年は、「稼頭子」な娘と、大吉の（しかし儲け少ない）「社長」に、ついてゆくことに決定。ふたりとも、どうぞよろしくね。

神戸に戻ると、11年ぶりに20通ほど出した年賀状のすべてに、温かな返信が届いていた。みなさん、正月からひと仕事増やしちゃってごめんなさい。本当にありがとうございます。そのうちの1枚の差出人が、内田樹先生。おお。小学生のとき、SF作家の星新一から届いた年賀状*1以来のびっくり。噂のキュートな直筆ネコマンガも。感激。

内田先生はさらに、年の瀬にまたギックリ腰を患った私に、主治医の接骨院を紹介してくださった。それに先日美容院にお邪魔した、やはり先生行きつけの哲学＆ロックな天才すご腕美容師・光安オーナーは、私のことを「インパクトな出来事、人、今年ＮＯ．１」と書いてくださるし（ブログ「宝塚　ANTENNE SUR VOGUE」）、なんだかもったいないことばかり。これはもう「大吉」というか「超吉」だな。

あ、「大家」内田樹さんの長屋に連載中のコラム、帰国後初めて更新しました。「湯川カナの、今夜も夜霧がエスパーニャ」、お題は「アニメの司馬遼太郎」です。よろしくよろしく。

さて仕事はというと、「社長」は事業者登録に向けた最終チェック。帰国前は、すぐにでも株式会社を設立しようと思っていたのだが、外国帰りのルルもとい私たちにとって、いますぐの会社設立は税制面であまりメリットがない、というか、かなりデメリットが多いことが判明。しばらく個人事業でいくことに、ほぼ方針が決定したのでした。
青色申告事業者に必要な書類を整えるための定番ソフト「弥生会計」導入も、「社長」の担当。現在、デモを体験中。ちなみに、法人向けの「弥生会計」は、サポートなしでも約35,000円はする。一方で、個人事業者向けの「やよいの青色申告」は約1万円から。これも、個人事業でいくことにした理由のひとつだったりする。金、ないんだって！

私の初仕事は、オフィスソフトの購入。なんせ金がない。しつこいようだが。しかしてマイクロソフト・オフィスは、高い！　平気で4万円くらいする。とてもとても、収益のない会社で買える金額ではござんせん。そこで、オープンソースのフリーソフト「オープンオフィス」を使ってみていたのだが、いかんせん私の知識ではどうもいまいちうまく使いこなせない。
ということで、落ち着いたのが「キングソフト」。マイクロソフト・オフィスに「そっくり」であること、そしてマイクロソフトの「10分の1の価格」が売りの、中国発ソフト。ワード（に対応するもの）とエクセル（に対応するもの）を買って、3,480円。ほんとに安かった。3歳の娘のお年玉がなくなり（つまり会社は3歳の娘から事業資金を借り入れた、ことになるのか!?）、今日の昼食が「たいして余った食材もないのに無理やり玄米チャーハン」のイエメシになっただけで、捻出できたもんね。イエー。

こうして整った環境で、事業計画書の続きをわりわり書く。販売戦略を書くには、価格を決めなければならず、価格を決めるには、コスト計算など「内側」の要素と、市場の動向など「外側」の要素の双方を明らかにしなければならない。価格とは、なんとなく「決まる」ものではなく、確固たる意志によって「決める」ものであり、それ自体が重要な戦略であるのだ。これも、神戸のSOHOプラザの創業セミナーで学んだこと。というわけで、事業計画書のこの項目に至って慌ててマーケット調査を開始。こんな泥縄式で……ま、いっか！　いや、良かぁないよなぁ。
そういやクリスマスの日、娘に「なに食べたい？　今日はなんでもいいよ」と訊いたら、極細おさげのまあるい顔をパッと輝かせて、「あのねぇ、しろいごはん！」と即答。そ、そっすか……。うちのごはんはいつも白米と玄米が半々なので。それにしても21世紀になって、憧れの食事が「銀シャリ」とは。頑張るよ、ママ。

ではでは、今年も、みなさんにとって、すんげー素敵な年になりますように！
いいこと、きっといっぱいありますよー。

【今日の社長】

弥生ソフトのデモ版を試用中。感想は？　「おもしろい」　ふーん。あ、今月からうちの家計簿も、弥生ソフトでやってみてねー。やっぱあれかな、月の半ばで「GAME OVER」とか出るんかな。

▽リファレンス