■ おっさんカー、みかじめ料、10年落ち。

今日は車を買った報告です。あれは先月のこと。「社長」と私は、炎天下を尼崎の中古車センターに向かっていました。JRを降りて、国道沿いまでてくてく歩いて南下すること、約20分。鞄にはプリントアウトした、お目当ての車のデータ。ありふれているけど、ボルボのV70。ほんとはふたりとも、プジョー607が大好きなのだけど。でもさすがに、「すでに生産停止済みの輸入車」を買ってしまった場合、メンテナンスがどれだけ大変なことになるかを考えると……。

ちなみにスペインで乗っていた車は、初代がプジョー306。次がオペルベクトラ。どちらも色はダークブルー系。基本、「細顔セダン」が好き。ボルボのV70はワゴンだけど、ま、趣味と実益を兼ねた、落としどころというか。

その1時間後。中古車センターのオフィスで、無料サービスのリアルゴールド(よく見たらすごい色だ)を有難くいただきながら、具体的な契約手続きの説明を受けている私たち。手元の書類にプリントされている写真はお目当てのボルボV70、ではなく、なぜか国産のおっさんカー。たしかにセダンはセダンだけど、ずいぶん幅広な面持ち。7年落ちで、走行距離7万キロ。色はシルバー。でも純正のカーナビやETCがついていて、助手席にフットレストまでついていて、スペインで乗っていた車に比べるともう「素の洋式便所」と「ウォシュレット」くらいの差。んでもって価格が、同じ年式のボルボV70の約半額。うーむ。国産なら20万キロくらいはご機嫌に走ってくれる(はず)。ともかく収入のない現在、最大のテーマは、「できるだけ初期投資を抑えること」。というわけで、面白みにはだいぶ欠けるけれど、質実剛健・ETC1,000円均一の週末に長崎まで娘を乗せていくためのそこそこ快適おっさんカー、日産ティアナを買いました。

それにしても。日本は車庫証明がいる、にゃん万円。10年前にはなかったリサイクル料金、にゃん万円。そして強制保険、にゃん万円。でもこの強制保険は保障内容がひどく限定的なので、通常は任意保険(もちろん加入)を使うのだという。まず使われることのない、にゃん万円の強制保険。いったい、なんのためにあるのだろう? 「つまり、みかじめ料だと思えばいいですか?」 と下品に問いかけたら、世間というか21世紀の日本知らずの私たちにとても親切に接してくださる担当者は大笑いしたあと、「ま、そう……とも言えますね、実際」と肯いてくれた。そういうことならば払わねば仕方ないんだろう。

とりあえず2年はこの、夢も希望も最小限の、おっさんカーに頑張ってもらおう。7年落ちの車に乗る10年落ちの私たちも、アクセルふかして頑張ろう。気合いが入りすぎたのか、私が初めてハンドルを握ったとき、アクセル踏み込みすぎて、発車時にきゅるきゅるとタイヤが鳴った。あ、そうか、マニュアルと違って、エンストの心配ないんだっけ。左足の下にあるのは、クラッチじゃなくてサイドブレーキで。早く慣れなきゃ。あ、次の信号を左折とナビが言っている。あれ? 曲がった先の信号が赤だったときって、行っちゃダメなんだっけ? いいんだっけ?(スペインではこの場合、進入禁止) ともかく左折だ、ウィンカーを出して、あっワイパーじゃなくて!!!

ああ、ウェブ作成も車の運転も、「10年落ち」してるあいだに、知識がすっかり役立たずになってるよ……。ま、頑張りましょ。


【今日の社長】 今日は七夕。保育園で渡された短冊にムスメが書いてほしいと言った「願いごと」は、「パパみたいに大きくなりたい。あのね、パパみたいに大きいお顔になりたいの」 ……若干、フクザツ。